ヴァンヌーボとは【同人小説のすすめ】
ヴァンヌーボとは印刷用紙の一つであり、風合いがある一方で、高度な印刷再現性を持つことが特徴です。
そのためラフ・グロス系の高級用紙として位置づけられています。
このヴァンヌーボという名前のフランス語で、VENT NOUVEAU(新しい風)が由来となっています。
ヴァンヌーボを使ってみよう!
同人誌、特に同人小説を制作するようになって、早ン年。
色々作っていますと、色んな素材に興味を持つようになって、今までにない素材を使ってみたくなるのが人情というもの。
コート紙+PP加工もいいのですが、ちょっと別の紙を使ってみたくなりました。
というのも、市販されている文庫サイズの書籍ですと、今も昔もそこまで変わっていないとうのが実感できます。
しかし最近、大きめの小説、B6判のサイズのものが巷に溢れるようになると、様相は一変しました。
実際に本屋さんに行って手に取っていただければお分かりになるかと思いますが、みな一様の紙でないことに気づくはずです。
それぞれの本の印象に合った風合いの、そんな印刷用紙を使用していることが分かります。
しかも手触りといい、仕上がりといい、何やら高級感が漂っています。
これが書籍化レベルの製本か……と思っていたわけですが、今回新たに同人誌を制作する機会を得たので、この機に浸かってみよう、ということになったのです。
ヴァンヌーボシリーズ
その前に、ヴァンヌーボと呼ばれる用紙は実は一種類ではありません。
何と6種類もあるのです。
・ヴァンヌーボV-FS
・ヴァンヌーボVG-FS
・ヴァンヌーボVM-FS
・ヴァンヌーボF-FS
・ヴァンヌーボ スムース-FS
とまあ、こんな感じです。
取り扱っている印刷所さんによっては微妙に表記が異なっていたり、単にヴァンヌーボとだけ表記されている場合もありますが、とりあえずこれくらいの種類がある知っておくと、チョイスの際の参考になるかと思います。
ヴァンヌーボV-FS
まずはヴァンヌーボV-FS。
ヴァンヌーボといえばこれ、というくらいポピュラーな紙ですね。
印刷すると、インクが乗った部分には艶が出ます。
手触りは少し荒く、ざらっとした印象でしょうか。
このあたりが風合いの所以ですね。
ちなみに筆記性は良く、鉛筆で書き込むことも可能です。
もし個人でこの用紙に印刷する場合、レーザープリンターでの印刷は可能せですが、インクジェットプリンターの使用はお奨めできません。
というのは滲んでしまうからです。
カラーバリエーションは三種類あり、もっとも白いスノーホワイトを始め、黄ばみがかったナチュラル、そして前述の二つの中間色にあたるホワイトがあります。
お奨めはやはりスノーホワイトでしょうか。
ヴァンヌーボ=(ヴァンヌーボV-FS/スノーホワイト)としている印刷所さんもあるくらいです。
ヴァンヌーボVG-FS
お次はヴァンヌーボVG-FS。
これはヴァンヌーボV-FSに比べ、印刷部分のグロス感が強く出るのが特徴です。
つまりより艶がでる、ということですね。
筆記性は今一つ。
あまり適していなさそうです。
カラーバリエーションは二種類の、スノーホワイトとホワイトです。
ヴァンヌーボVM-FS
ヴァンヌーボVM-FSはヴァンヌーボVG-FSとは逆に、マットな仕上がりになるのが特徴です。
インクが乗っていない部分はもちろんのこと、乗っている部分も艶は出ず、マットな印象になります。
カラーバリエーションもホワイトのみと、少な目です。
ヴァンヌーボF-FS
ヴァンヌーボF-FSはこれまでのものとは違い、風合いを重視した用紙となります。
つまり、手触りですね。
ヴァンヌーボV-FSに比べて荒い質感なため、最もラフな用紙であり、そのため風合いは一番強いといえます。
また印刷時のマット感は、シリーズの中で一番です。
カラーバリエーションもホワイトとナチュラルの二種類。
ヴァンヌーボ スムース-FS
もはや何が何だか分からなくなってきましたが、ヴァンヌーボ スムース-FSは用紙表面の印刷再現性を最も重視した用紙です。
またやわらかく、シリーズの中でのグロス感は一番。
カラーバリエーションはスノーホワイトのみです。
実際にヴァンヌーボを使ってみよう!
この世に数ある同人誌印刷会社。
別に同人誌専門でなくてもいいとは思いますが、気軽に安価でお願いできるので、我々にとってはありがたい存在です。
調べたところ、ヴァンヌーボを印刷用紙としてラインナップしている印刷会社さんは確かにあるのですが、管理人が普段利用させていただいているところでは、残念ながらありませんでした。
私がこれまでずっと利用させていただいている印刷会社さんは、株式会社ポプルスさんです。
こちらの良いところは、一冊からでもOK! という点で、ほとんど記念的に作っている管理人からしてみれば、とてもありがたい存在です。
しかし、ない。
やはり駄目かと思いつつも、とりあえずは相談。
結果、取り扱いの無い印刷用紙も、取り寄せという形で使用可能でした。
素晴らしい!
ただしかなり割高料金となってしまいますので、この辺りはお財布と相談です。
管理人の場合はとにかく一度、豪華に作ってみたかったので、そこは目をつむってお願いしました。
で、ドキドキしながら納品されるのを待ちます。
結果は……グッジョブ!
とてもいい感じに仕上がっておりました。
私のような素人目には、市販されいる書籍と遜色ないんじゃ……という出来!
コート紙や上質紙には無い風合いに、PP加工を必要としない出来栄え!
確かに高級感もあり、満足でした。
文庫サイズのような小さいサイズの場合ですと、ちょっと凝り過ぎな印象も無きにしも非ずですが、B6以上のサイズでしたら十分にマッチします。
ちなみに管理人はA5サイズで製作しましたよっ。
ヴァンヌーボでの表紙やカバー制作は、お奨めです♪
もし普段ご利用されている印刷会社さんに取り扱いがあるようでしたら、一度お試しあれ。