小松姫とは安土桃山時代から江戸時代初期の女性であり、上田藩及び松代藩初代藩主となった真田信之の正室。
徳川四天王の一人、本多忠勝の娘。
徳川家康の養女となった上で、真田信之に嫁いだとされている。
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生年 | 1573年(天正元年) |
没年 | 1620年(元和6年2月24日) |
別名 | 於子亥 稲姫 小松殿 大蓮院 |
氏族 | 本多氏⇒真田氏 |
家紋 | 本多葵(丸に立ち葵) 真田六文銭 |
親 | 父:本多忠勝 母:於久の方(松平玄鉄の娘) 養父:徳川家康(または徳川秀忠) |
兄弟 | もり姫(奥平家昌正室) 忠政 忠朝 女(本多信之室) 女(松下重綱室) 女(蒲生瀬兵衛室) |
夫 | 真田信之 |
子 | まん(高力忠房室) まさ(佐久間勝宗室) 真田信政 真田信重 |
小松姫とは








略歴
父・本多忠勝
小松姫は1573年(天正元年)に、本多忠勝の長女として誕生した。
幼名は於子亥、稲姫とされている。
父・忠勝は徳川家康の家臣であり、姉川の戦いや長篠の戦い、小牧・長久手の戦いといった主要な合戦で武功を挙げ、酒井忠次、榊原康政、井伊直政らと共に徳川四天王の一人として数えられた勇将であった。




真田信之との結婚
1582年(天正10年)の天正壬午の乱の終結後、徳川氏と真田氏は沼田領問題に端を発した第一次上田合戦に至り、抗争を続けていた。
しかし1587年(天正15年)に豊臣秀吉の命によって、真田昌幸を徳川家康の与力大名とすることで決着。
これを機に、昌幸の嫡男・真田信之と小松姫の婚姻が成立する。




豊臣政権下
豊臣秀吉が天下人となった後は、諸大名の妻子を聚楽第や伏見城、大坂城の城下に住まわせることとなり、小松姫もまた信之の屋敷に居住していたと思われる。
夫・信之にはすでに正室の清音院殿(真田信綱の娘)がいたが、小松姫との婚姻後は小松姫が正室の立場になったとも考えられている。
信之の子のうち、長男・信吉を除く長女・まん、次女・まさ、次男・信政・三男・信重は小松姫との子とされている。
徳川政権下
1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いが勃発。
この戦で夫・信之は家康側である東軍につき、戦功を挙げたことで、西軍についた真田昌幸の所領であった信濃国上田領を従来の所領であった沼田領に加えて加増され、9万5,000石の大名となった。




信之と袂を分かって西軍についた昌幸や真田信繁(幸村)は、信之や小松姫、また父・本多忠勝や本多正信の嘆願もあり、死罪を免れて高野山に流罪となったという。








1603年(慶長8年)に家康が征夷大将軍に就任すると、諸大名の妻子は江戸に集められ、小松姫もまた江戸の大名屋敷に居住したと考えられている。
この頃、父・忠勝は伊勢国桑名藩に移封されており、そこから小松姫を気遣う書状などが送られていたことから、真田氏と本多氏の親密な関係を築くのに、小松姫の存在が一役買っていたとされる。
大坂の陣
1614年(慶長19年)から翌1615年(慶長20年)にかけて、徳川氏と豊臣氏の間に大坂の陣が勃発。
この時、夫・信之は病気を患っており、代わりに長男・信吉と次男・信政が本多忠朝の指揮下に入って、出陣した。
その際に小松姫から信之の重臣・木村綱成とその妻に宛てた書状が残っており、信吉らを気遣い、その補佐を依頼する内容であったとされている。
最期
1620年(元和6年)、小松姫は病を患い、湯治のために草津温泉に向かう道中の武蔵国鴻巣において、死去した。享年48。
夫の信之は小松姫の菩提を弔うために上田城下に大英寺を建立したという。
小松姫の人物像
・非常にはきはきした人物であったようで、徳川家康や徳川秀忠に対しても直に意見をすることができた、とされている。
・勇気があり、才色兼備であったとされ、男勝りでもあったという。
・小松姫が婿を選ぶにあたり、家康は若い武将を並ばせて、小松姫に相手を選ばせたといわれており、若い武将達は家康を前に平伏している中、男勝りの小松姫はそんな彼らの髻をひっつかんで顔を上げさ、その顔を見て回ったとされる。
しかし真田信之は掴まれる前に叱りつけ、その上鉄扇で小松姫の顔を打ったといわれており、小松姫はそんな信之の気骨に感動し、彼を選んだとされている。


・1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦いの際、石田三成が挙兵すると夫・信之は東軍に、信之の父である昌幸は西軍につき、袂をわかった。この際、上田城に戻る昌幸一向が沼田城に寄り、留守を預かっていた小松姫は昌幸の計略を見破って開門せず、周囲を感嘆させたとの逸話が残っている。
この時、昌幸は孫の顔をみたいと言ってきたとされ、小松姫はこれを丁重に断った上で昌幸らを城下の旅宿に案内してもてなし、しかし一方で城中では弓や鉄砲を備えさせ、万が一に備えたという。








小松姫(本多小松)画像
