阿閉貞征 ~浅井氏滅亡の遠因となった浅井氏家臣、山本山城主

阿閉貞征 ~浅井氏滅亡の遠因となった浅井氏家臣、山本山城主

 阿閉貞征とは戦国時代の武将であり、北近江の戦国大名・浅井氏に仕えた家臣。
 浅井氏と織田氏の抗争の際には主家を裏切り織田方に降り、浅井氏滅亡の原因と一つとなったといわれている。
 後に織田信長が本能寺の変で横死するに至った明智光秀の謀反に加担し、山崎の戦いで光秀が羽柴秀吉に敗れると、貞征を初めとする阿閉一族は処刑され、滅亡した。

阿閉貞征(あつじ さだゆき)
生年1528年(享禄元年)
没年1582年(天正10年)
改名万五朗⇒貞征
別名長之 貞秀
主君浅井長政織田信長明智光秀
貞大

阿閉貞征とは

由羅
由羅
また読めない名字の武将が出てきた……
阿閉は阿辻とも書いたそうだよ
イリス
イリス
由羅
由羅
ということは、「あつじ」って読めばいいの?
正解
イリス
イリス
由羅
由羅
素直に阿辻って書けばいいのにねえ

浅井氏家臣として

阿閉氏

 阿閉貞征は1528年(享禄元年)に誕生。

 阿閉氏はもともと北近江伊香郡の国人だったといわれている。

 北近江は京極氏によって支配されていたが、浅井亮政の下克上により浅井氏が京極氏に代わって支配するようになっていた。
 阿閉氏はこれに従い、浅井氏に仕えるようになったとされている。

 阿閉貞征は浅井家中にあって重臣といえる地位にあり、北近江の要害であった山本山城主として、これを守っていたという。

由羅
由羅
上から読んでも……
何言ってるの?
イリス
イリス
由羅
由羅
う、ううんっ、何でもない。それより山本山城って?
地図を見れば分かるけれど、小谷城からほど近く、琵琶湖寄りにあって、北国街道沿いにあったから、かなり重要な場所だったことが分かるよ
イリス
イリス
由羅
由羅
そんな大事なところを任されていたんだね

姉川の戦い

 浅井長政の代になり、浅井氏が尾張の織田氏と対立するようになると、1570年(元亀元年)に姉川の戦いが勃発する。

 貞征は手勢1,000を率いてこれに参加し、磯野員昌、浅井政澄に続いて三段目に布陣したといわれている。

 姉川の戦いに浅井・朝倉連合軍は敗退するものの、その後も織田氏との抗争は続き、居城であった山本山城も織田方の攻撃を受けるもこれを撃退するなど、活躍した。

由羅
由羅
けっこう頑張って活躍していたんだね
さっきも言ったけれど、小谷城にとっても重要な位置取りの城だったから、ここを守ったことは大きいよ
イリス
イリス

織田氏家臣として

浅井氏の滅亡

 織田氏との抗争が続く中、1573年(天正元年)に阿閉貞征は突如として浅井氏を裏切り、敵方を山本山城に引き入れて織田氏に寝返ることになる。

由羅
由羅
え、寝返ったの? せっかく頑張って死守したのに?
姉川の戦いから数年たっているし、形勢も悪くなっていたしね。それにもしかすると、調略の手が伸びていたのかもしれない
イリス
イリス
由羅
由羅
でも、大事な場所が織田方に落ちたってことは……
うん。浅井家は大ピンチ、だね
イリス
イリス
 これにより浅井氏居城であった小谷城は孤立。
 これが浅井氏滅亡の遠因となったといわれている。

 貞征は降伏後、時をたたずして織田方として参陣。
 浅井氏の同盟国であった越前の朝倉攻めのために出陣し、先手を務めている。

由羅
由羅
戦国時代とはいえ、変わり身が早いなあ
 刀根坂の戦いで大敗した朝倉義景は一乗谷に逃亡し、その後、一門の朝倉景鏡に裏切られて自刃し、朝倉氏は滅亡。

 返す刀で取って返した織田軍は小谷城を包囲し、これを滅亡に追い込むのことになる。

羽柴秀吉の与力となる

 浅井氏が滅亡すると、北近江は羽柴秀吉に与えられた。

 貞征は本領を安堵され、秀吉の与力になったとされている。

 1575年(天正3年)に起きた越前一向一揆に対し、秀吉と共に参戦。
 ところが次第に秀吉との間に亀裂が生じていったようで、不満を募らせていったという。

 そういった影響もあってか、秀吉は1577年(天正5年)に中国攻めのために播磨国へと向かうものの、阿閉親子はこれに従わず、近江に留まって織田信長の旗本となっていた。

由羅
由羅
秀吉って戦国時代の人たらし、っていうイメージがあるけれど、相性の悪い人もいたんだね
まあ、領地の問題でいざこざがあったみたいだよ
イリス
イリス

本能寺の変

 1582年(天正10年)、織田氏重臣・明智光秀による謀反である、本能寺の変が勃発。

 阿閉貞征は光秀に加担し、羽柴秀吉の居城であった長浜城を占拠する。

由羅
由羅
秀吉とはうまくいっていなかったわけだし、当然といえば当然の選択だね
 ところが山崎の戦いで明智光秀は羽柴秀吉に敗れて光秀の天下が三日天下で終わると、阿閉氏は秀吉に捕らえられ、その一族は処刑された。貞征は磔刑に処されたといわれている。
由羅
由羅
でもあっという間に滅亡、かあ
浅井家滅亡の際はうまく乗り切ったけれど、光秀謀反の際にはし損なった、というわけだね。世の中なかなかうまくはいかない、ということかな
イリス
イリス

阿閉貞征の家臣

 阿閉貞征には浅井氏滅亡後、一時的ではあるが、名将・藤堂高虎が仕えていたことがあった。

 また槍の名手とされる渡辺勘兵衛(渡辺了)もはじめ貞征に仕え、母衣衆となり、貞征の娘を娶ったとされている。